多摩「教育」読者の会11月例会 お休みのご案内
11月例会は11/28に予定していましたが、
会場(担当者)の都合で休会とさせていただきます。
11月号は、12月例会で12月号とともに扱います。
11月例会は11/28に予定していましたが、
会場(担当者)の都合で休会とさせていただきます。
11月号は、12月例会で12月号とともに扱います。
10月例会の参加者は、久々の参加者を5名で、参加者の近況の中から教育を考える作業が中心を占め、私学における宗教教育のあり方などにも話が及びました。
特集1に関連して、生源寺論文が言及しているように、教師の教育内容・方法の自由を行使しようとすると学習指導要領に照らして「不適切」とされてしまうような学習指導要領体制の現実におけるあり方が検討されました。高等教育機関には学習指導要領はありませんが、国家資格の取得を目的とした専修学校では、国家資格に即した教育課程とそれに即した教科書があり、教育内容・教材選定の余地がほとんどないことが紹介されました。国家資格取得率といった数値による競争と目標管理が行われる環境は、進学実績という数値に左右されがちな高等学校との共通点が見だされるといった指摘もありました。大学入試問題は確かに高等学校学習指導要領に即したかたちで作成されています。しかし大学入試を頂点とする受験競争を、子安論文が言及している教科書の広域採択制や日常の授業実践における学習指導要領の制約と同一次元で「学習指導要領体制」の表れとみるかどうかは検討の余地がありそうです。ただし、大学入試における推薦入試枠が拡大している今日、それを理由として高等学校では定期試験や教育内容・進度の共通化が図られているといった指摘もあり、「学習指導要領体制」なるものを多面的にとらえることが大切でしょう。
特集2については、藤原論文で紹介されている「森の時間」・「環境学」・スタディツアーといった実践を高く評価する意見が出されました。学校制度基準としての学習指導要領が定める教科・科目の枠を超えるかたちで設定される教育活動は、教師の専門性の蓄積という点で課題が残るものの、学習指導要領体制をのりこえる教育内容・方法の自由を行使できる機会でもあります。
他方で、SDGsは今日、子どもたちにとっては「学校が語るお題目」として受け止められるようになっている(がゆえに危機感を内面に持つにいたらず、主体的に取り組む対象になっていない)のではないかといった指摘が出されました。また、政策主導者や政権与党が声高に語るものとなっており、SDGsに言及することで地球上の自然的社会的環境を考えているかのような免罪符を与えることになっているのではないか、とかいった指摘もありました。SDGsは必ずしも環境問題だけを扱っているわけではありませんが、環境教育における論争状況などから考えるヒントをいろいろもらえることがありそうです。
11月例会は以下のとおり行います。12月例会も第4木曜(26日)を予定していますが、
1月例会は第5木曜(30日)となる予定です。
日時:11月28日(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年11月号
(特集「学校の『男性性』を問う」「先生が学校を休むとき」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
『教育』10月号には9月例会は「9/28(土)」とありますが、これは事務局への私の連絡ミスによるものです。正しくは「9/26(木)」で、すでに終了しています(ご指摘してくださった方、ありがとうございました)。次の例会は10月例会です。
9月例会の参加者は5名でした。
特集1に関連して、どのように子どもたち同士、教員同士、子どもと教員がつながっているかということが話題になりました。職員室ではベテランと若手をどうつなげばよいのかという話になり、失敗を見せればよいという話もあったが最近はそれでうまくいくとは限らないという意見や、答えられることを尋ねるところから言葉のやりとりを積み重ねていけばよいのではないかという意見が出されました。
特集2については、自己表現を追究する教科や教育活動のあり方が話題になりました。押谷論文に関連し、書写教育がどのように行われているのかといった経験が紹介され、音楽などでも技術性を追求するならば専科教員を導入した方がよいのではないかという意見や、子どもをトータルに把握してこその表現活動なので小学校では教科担任制にしない方がよいのではないか、そもそも副教科として位置づけられている教科の目的は何か、といった意見が出されました。
また、資格取得をめざす専門学校のような機関では、教養系の科目担当教員より技能系の科目担当教員の方が存在感をもっていること、そうした教員はコンテストに向けた部活動のような取り組みでも指導にあたるため、生徒との距離を近づけやすいこと、技能系の教員にも「ついてこられる生徒をひっぱっていく」タイプと「なかなかついていけない生徒をフォローする」タイプがあり、両者の組み合わせによってバランスがとれること、などが紹介されました。このような学校では技能の獲得をつうじてキャリア教育としての自己表現がなされる一方で、進路が定まっていない小学生の段階ではキャリア教育という目的は想定されておらず、「私の夢」といった作文程度であるといったことも報告されました。
さらに鈴木論文に関連し、オイリュトミーのような表現活動や卒業論文作成をつうじて、自己表現に温度差があった生徒も成長していき、卒業後に開花する事例もあるといったことが紹介され、成果を急がずに「水やりをしていく」教育活動の意味が語られました。
10月例会は以下のとおり行います。12月例会までは、第4木曜を予定しています。
日時:10月24(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年10月号
(特集「学習指導要領体制をのりこえる」「地球沸騰化時代のわたしたち」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
札幌での全国大会も終了しました。多摩「教育」読者の会に参加している方、過去に参加していた方の対面参加・オンライン参加があり、直接対面した方とは交流することができました。また、7月号の執筆者である西谷泰実さんによる報告が「政治と教育」分科会でなされ、論文の内容の理解を深めることができました。
7月例会の参加者は6名でしたが、夏休みに入って久々の参加という方の出席がえられました。
議論は特集2「給食費無償化と食の豊かな発展を」から始まりました。近隣自治体での無償化の状況について情報交換した後、子どもたちの給食費が無償化されても教員の給食費負担は無償化されない(今後は物価上昇に伴い増額が予想される)といった指摘があり、無償の教職員食堂が用意されている学校の事例の紹介がありました。また、藤原辰史論文に対しては給食に対して期待をかけすぎているのではないかという批判があり、そもそも食生活についてどこまで学校が介入すべきなのかという論点が提示されました。また、田沼論文とかかわって、地方公共団体の負担による無償化は悪いことではないが、地方間格差が生じてしまうので国による無償化へつなげるべきではないかという意見も出されました。
特集1については多くの時間を割きませんでしたが、佐藤和夫論文に対する肯定的な感想が出されました。他方で、佐貫浩論文は難解であり、「正解知」「合意知」とは何で、どこに由来するものなのかといった質問が出されました。また、山下・茂木・西谷論文や杉浦論文にみられるような実践の担い手が今後も再生産されるだろうかという世代の継承に関する問題意識も出されました。
9月例会は以下のとおり行います。(ひとまず11月例会までは、第4木曜を予定しています。8月は札幌で全国大会があったので、多摩「教育」読者の会は休会です)
日時:9月26(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年8月号
(特集「魅力ある授業をつくる”教育の自由”」「『リアル』に触れる教育実践」)
『教育』2024年9月号
(特集「『危機的状況』のいま、語りと希望を生み出す職員室へ」「生きることを支える表現を探る」)
8月例会を休会とした関係で、9月例会は8月号・9月号の両方を対象とします。
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
5月例会の参加者は3名と少なめでしたが、いつも以上に熱い議論がなされました。
特集2の「中学校における観点別評価」をめぐっては、観点別評価がなぜ導入されたのか、どう向き合えばよいのかわからなかったという声が出されました。これを出発に、松本論文が指摘するような教師の多忙化を加速するものであるという意見がだされました。観点別評価に対応するため、定期試験では各設問に観点を割り振るといったことが行われています。採点後に観点ごとに集計するソフトを東京都は導入しつつありますが、少なくとも移行期は手作業が増加するという指摘がありました。また、金論文で紹介されているような観点別評価と評定の関係は評価・評定のデジタル化を生むものだという指摘が出され、デジタル化の何が問題なのかという議論がなされました。そして、教科単位でしか成績が表示されなかったところ、観点別に評価が表示されるため、「C」のような低評価を眼にする機会が増え、勉強が苦手な子どもが傷つく機会が増えるのではないかという意見が出されました。また、観点別評価を積み上げることによって評定が完成し、正しい評定ができたと安心して疑わない教師が増えてくるのではないかと、教師の思考力が衰えることを懸念する意見も出されました。また、医師や美容師のように国家資格の取得と就職が直結するような場合、国家資格に合格するという明確な目標が設定されているため、(良い悪いはさておき)教育目標・評価のあり方を検討・議論する余地がほとんどない、といった指摘も出されました。
議論が特集2に集中したため、特集1「子どもを語る言葉をとりもどす」にはそれほど言及されませんでしたが、大江論文の魅力にふれる声や、保護者の立場から保護者と教師のつながりの大切さを具体的に語って見せた湯舟論文を評価する意見がでました。
なお特集1は、6月16日(日)14:00から行われる教科研教育学部会で扱うテーマと重なっています。特集1に関心を持った方は、そちらにもぜひご参加ください(会場等の詳細は教科研HPか多摩「教育」読者の会のブログでご確認ください)。
6月例会は以下のとおり行います。(ひとまず7月例会までは、第4木曜を予定しています。8月は札幌で全国大会があるので、多摩「教育」読者の会は休会です)
日時:6月27日(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年6月号
(特集「『教員不足』時代の教師教育」「学校での子どもと教師の笑いを問う」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
多摩「教育」読者の会ブログ
http://tamatama1284.cocolog-nifty.com/
4月例会は、6名の参加者がありました。(欠席の連絡をしてくださった方、ご丁寧にありがとうございます)。
小学校教員による文章が多めだった特集1ですが、小学校・中等教育学校・高校・専門校・大学とそれぞれの職場に照らして意見や感想がだされました。堀埜論文が提案する「私の『好き』を授業に」に共感する意見がだされ、「教師は授業で勝負しろ」という命題をめぐって議論がなされました。体育の学びでつながる子どもを扱った久保論文に関しては、どの子もできるようになることをめざした体育同志会の教育方法の開発をめぐって質疑応答がなされました。また手紙の形式をとった中村清二論文は参加者に大好評で、職場の若手教員にぜひ読んでもらいたい、という声があがりました。
特集2については、楽しさ・夢中になれることや納得を得られることを重視する松島論文・末定論文のように子どもに注目したものから、数教協の議論をたどりながらその成果を再評価する山本論文や塵劫記に言及する荒井論文のように数学(研究)をめぐる教養が語られるものまで幅広くありましたが、対話を重視する中山論文を含め、おもしろさ・やりがいを重視することに共通点が見出されていました。特集1の堀埜論文の主張に共通する点でもあります。
直前のご連絡となってしまいましたが、5月例会は以下のとおり行います。
(ひとまず7月例会までは、第4木曜を予定しています)
日時:5月23日(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年5月号
(特集「子どもを語る言葉をとりもどす」「中学校における観点別評価」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
3月例会は、3月例会から復帰した方、初参加の方などを含め、10名の参加者がありました。(ご連絡ありがとうございます)。
ついては、特集2の佐藤博論文にある、小中一貫校計画がなぜ推し進められるのかという問いをめぐる意見交換から始まりました。財政上の理由とは別に教育上の理由や実際に生じる効果として、「新しい自分づくりへのリセットの機会」(p.86)の必要性が語られました。社会全体で少子化が進行する中で、特定の地域に限定すると人口集中により学区の分割が行われる場合もあるといったことが紹介されました。
特集1はさまざまな周辺化の事例がとりあげられていましたが、渡会他論文にある外国ルーツの子どもが学校でどのように位置づけられているかをめぐり、小学校と高校の事例が紹介されました。保護者が日本語を理解できないために在留更新申請をしなければならないヤングケアラー状態の高校生や、本人自身が日本語指導を必要としている子どもに対する学習支援の不備といった問題点が指摘されました。杉田論文に関しては、トランスジェンダーの子どもへの対応の難しさ、対応をめぐって教職員で合意を形成することの難しさが実体験に即して紹介されました。知念論文や都島論文に登場する子ども・若者に関連して、職業社会へ送り出す(もしくは社会復帰する)立場の生徒指導の方針をめぐってなかなか悩ましい試行錯誤が続いているといったことも紹介されました。そして各発達段階で生徒指導・生活指導を学校がどう担うべきなのかについて意見が交わされました。
4月例会は以下のとおり行います。
日時:4月25日(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年4月号
(特集「ちょっとやってみようかな」「これからの算数・数学教育を切り拓こう」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
2月例会は5名の参加者がありました。1月例会は欠席だったがコロナ前に常連だった方、1月例会から参加を始めた方など、当分は新しい出会いや再開が続きそうです。会議が長引きそうで参加できないという欠席連絡もいただきました(ご連絡ありがとうございます)。
特集1の野村論文・木戸口論文の、大学における探求学習の成果に関する記述を見て、「高校までにそのような力を育む、もしくは実感するような実践が行われていないのだろうか」という問いを投げかけられたところから議論が始まりました。そして特集1の原田真知子インタビューの記述に照らしつつ、小学校における実践事例について情報が出されました。
特集2については、冒頭の企画説明文に「学問・研究の自由は研究者のみの特権ではない」という記述を参照しながら、学問・研究の自由がそれぞれの教育・議論の場でどのように語られているかを問い直す問題提起がなされました。佐藤論文で描かれている九条俳句訴訟で追究されたのは学問の自由と表現の自由であり、それと学習がどう関わっているのかは必ずしも明らかになっているわけではない、という意見も出されました。また、広渡論文が言及している日本学術会議問題にせよ、平井論文が言及しているフェミ科研費裁判にせよ、そこにある問題意識と、いわゆる世論の認識に距離があり、国民的課題として受けとめられていないのではないか、という意見が出されました。特集1のタイトルは「現場目線の大学論」ですが、国民・市民の目線で学問・研究の自由なり、平和・民主主義なりの価値を引き受けて語ることができるためにはどうすればよいのか、といった問いをめぐって意見交換がなされました。
3月例会は以下のとおり行います。
日時:2024年3月28日(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年3月号
(特集「学校から周辺化される子どもたち」「学校統廃合をめぐる攻防と混乱」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
多摩「教育」読者の会ブログ
http://tamatama1284.cocolog-nifty.com/
多摩「教育」読者の会2月例会
日時:2024年2月22日(木) 18:00~20:00
形式:対面のみ
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年2月号
(特集「現場目線の大学論」「学問・研究の自由と平和・民主主義」)
第5回オープン『教育』を読む会
― 宮城『教育』を読む会 ―
日時 1月20日(土)午前10時~12時
詳細は、教科研HP
https://kyoukaken.jp/204015
※第6回は、
都留文科大学『教育』を読む会です。
2月25日(日)午後
教科研HP https://kyoukaken.jp/204024
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