多摩「教育」読者の会6月例会のご案内
5月例会の参加者は3名と少なめでしたが、いつも以上に熱い議論がなされました。
特集2の「中学校における観点別評価」をめぐっては、観点別評価がなぜ導入されたのか、どう向き合えばよいのかわからなかったという声が出されました。これを出発に、松本論文が指摘するような教師の多忙化を加速するものであるという意見がだされました。観点別評価に対応するため、定期試験では各設問に観点を割り振るといったことが行われています。採点後に観点ごとに集計するソフトを東京都は導入しつつありますが、少なくとも移行期は手作業が増加するという指摘がありました。また、金論文で紹介されているような観点別評価と評定の関係は評価・評定のデジタル化を生むものだという指摘が出され、デジタル化の何が問題なのかという議論がなされました。そして、教科単位でしか成績が表示されなかったところ、観点別に評価が表示されるため、「C」のような低評価を眼にする機会が増え、勉強が苦手な子どもが傷つく機会が増えるのではないかという意見が出されました。また、観点別評価を積み上げることによって評定が完成し、正しい評定ができたと安心して疑わない教師が増えてくるのではないかと、教師の思考力が衰えることを懸念する意見も出されました。また、医師や美容師のように国家資格の取得と就職が直結するような場合、国家資格に合格するという明確な目標が設定されているため、(良い悪いはさておき)教育目標・評価のあり方を検討・議論する余地がほとんどない、といった指摘も出されました。
議論が特集2に集中したため、特集1「子どもを語る言葉をとりもどす」にはそれほど言及されませんでしたが、大江論文の魅力にふれる声や、保護者の立場から保護者と教師のつながりの大切さを具体的に語って見せた湯舟論文を評価する意見がでました。
なお特集1は、6月16日(日)14:00から行われる教科研教育学部会で扱うテーマと重なっています。特集1に関心を持った方は、そちらにもぜひご参加ください(会場等の詳細は教科研HPか多摩「教育」読者の会のブログでご確認ください)。
6月例会は以下のとおり行います。(ひとまず7月例会までは、第4木曜を予定しています。8月は札幌で全国大会があるので、多摩「教育」読者の会は休会です)
日時:6月27日(木) 18:00~20:00
会場:一橋大学第一研究館1F小集会室
https://www.hit-u.ac.jp/guide/campus/campus/index.html
建物配置図の18番です。12番の図書館(時計台)正面からアクセスしてください。
テキスト:『教育』2024年6月号
(特集「『教員不足』時代の教師教育」「学校での子どもと教師の笑いを問う」)
事前の出席連絡は不要ですので、ご都合がつく方は気軽にご参加ください。
多摩「教育」読者の会ブログ
http://tamatama1284.cocolog-nifty.com/
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