2月例会の参加者は、5名でした(建物に入れずに出席できなかったという方が他に1名いました)。新型コロナウイルスの影響で各種集会の中止が相次いでいる中でしたので、出席を予定していた複数の方からご丁寧に欠席連絡をいただきました。
特集1については、趣旨文に「リーダーシップとトップダウンが混同されている」、篠原論文でリーダーシップとマネジメントを対比したうえで「マネジメントに偏りがち」だと指摘されていることを受け、「リーダーシップ不在でマネジメント一辺倒になっているのではないか」という意見が出されました。しかしそのような状況分析をひとまず受け入れるとしても、なぜ企業組織論のコッターに依拠して説明しようとしたのか、理由の説明が欲しかった、という意見も出されました。そして今日苦境にあるとされる「対話と合意の学校づくり」こそ分散型リーダーシップの形なのではないかという意見が出された一方で、リーダーシップ論は組織内に完結した議論であることが多く、組織外とつながって意思決定を行おうとする議論とは区別されるのではないかという意見も出されました。関連して、趣旨文にある「チーム学校」をどう評価すべきかという問いがだされ、政策的に推進される「チーム学校」と、ありうべき形としての<チーム学校>を区別して考えた方がよいという意見も出されました。
稚内での事例を紹介した本間論文については、こういう子育て支援が実現すればよいけれどもこれはやはり稚内や連載「子どもは地域の宝やき」にある土佐町のような地方部ならではの取り組みであり、都会では難しいのではないか、という感想が出されました。本間論文にある「コーディネーターとしての校長」論をどう考えるかについては、中原論文にある「隣の席に座る同僚を気にかける職員室」の関係・雰囲気づくりを担うのがその答えの一つではないかといった意見も出されました。また校長がマネジメント職となってきている事実を踏まえる一方で、「校長=子ども理解できていない、一般教員=子ども理解できている」という二項対立の図式で語るのはいかがなものか、といった意見も出されました。
第二特集を特に切り分けて論じることはしませんでしたが、小山論文にあるシュタイナー学校の事例にあるような「学校をつくる、保護者の力」「学校をつくる、地域社会の力」は一条校にもあてはまることで、この事例は特に、学校の理念が明確になっており、保護者の力がうまく活用されて回っている事例なのではないかという感想がありました。
3月号の特集は「急げ、働き方改革 人が生きる学校へ」「大学で、教養と教育を考える」です。2月号では一条校における校長の在り方とオルタナティブとしての各種学校の在り方を扱いましたが、3月号では一条校における教員の在り方を考えます。
新型コロナウイルスの感染が拡大しつつあります。例会の開催を見合わせることも考えられます。その場合にはブログとメールで改めてご連絡を差し上げます。
期日: 3月26日(木) 18:30~
会場: 一橋大学第一研究館小集会室
西キャンパス正門の正面に見える時計台が図書館です。図書館正面入口を入って右折し、建物の角を道なりに曲がります。渡り廊下を通ってすぐ右にあるのが小集会室です。
〇4月例会は4月23日(木)、会場は一橋大学第一研究館1F小集会室の予定です。
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