12月例会の参加者は8名でした。自家製(!)こんにゃくを煮つけて持参してくださった方を含め、持ち寄りの品によるクリスマス軽食会となりました。
第一特集「追いつめる社会に抗い、育む」は、教師以外の方の原稿が多くを占めたことについての感想が述べられました。『教育』は小中学校教師の原稿が多くなりがちなので、この特集は珍しい構成だったといえそうです。
荒巻論文については、なかなかふりむいてくれない生徒や保護者と向き合おうとする粘り強さに感嘆する声が出されました。そのとりくみや登場人物の息づかいが伝わってくる筆運びと、詩的表現で構成された特集冒頭のことばのコントラストに注目した意見も出されました。そして論文の中に登場する学校教師の「来てくれたらやれることはあるんですけどねえ」という反応をめぐり、身近な状況に照らし合わせながら意見交換がなされました。
川松論文では「学校は教育機関でありながらも、子どもや家族の支援につなぐことができる福祉的な機関でもありえる。学校がソーシャルワーク的な視点をもってかかわれるようになるといいのではないだどうか」という提起がなされていましたが、これをふまえ、自らの職場体験などに照らしながら、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーのような存在が果たしうる役割、そういった存在を前提として教師が引き受け直すべき役割とは何なのかについての議論がなされました。また、高校生でありながら、現在の学校や社会を相対化する位置から意見を述べている高田論文についても意見交換がなされました。
特集のまとめであると同時に十月号の続編ともなっていた大江論文については、教師の学級運営をかき乱す子どもに対し、「全体が心地よくなる状態が怖いのかもしれない」と受けとめる解釈には考えさせられるとして、ひとしきり意見交換が行われました。
第二特集「学校にしのびこむ『黙』」では、スタンダードの徹底が行われる中、逸脱を許さない「黙」の指導を教師が受け入れてしまっているのではないかという意見やそれに対する批判が出されました。また、一律に「黙」を否定するのではなく、その中に見るべき要素があることを評価したうえで、否定すべき点は毅然と批判すべきだとする山本論文を評価する声もありました。
また、例会の記録を作成してはどうか、という提案がなされました。充実した議論となった時には、『教育』の教育情報欄に投稿して、例会関係者以外にも広く問題提起することも視野に入れた提案です。この点については一月例会で再び話し合う予定です。
1月号の特集は「インクルーシブと特別支援を深く知る」「わたしの教師像をつくる」です。
高校でも求められるようになってきた特別支援。最近は、教えることにこだわりのない(ケア志向の)教員志望者が増えているという話もあります。そんな状況の中で、学校や教師の役割をどう考えればよいのか。12月例会では第一特集をめぐってケアと教育のあり方について言及がなされました。その延長線上にあるテーマとして議論したいと思います。
期日: 1月23日(木) 18:30~
会場: 一橋大学第一研究館小集会室
西キャンパス正門の正面に見える時計台が図書館です。図書館正面入口を入って右折し、建物の角を道なりに曲がります。渡り廊下を通ってすぐ右にあるのが小集会室です。
〇2月以降は2月27日(木)、3月26日(木)で、会場は一橋大学第一研究館1F小集会室の予定です。
〇3月28日(土)~29日(日)に、奈良教育大学附属小学校で三月集会が行われます。
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