多摩「教育」読者の会3月例会のご案内
2月例会の参加者は9名で、1月例会とうってかわって盛況となりました。
議論は特集1「子どもの権利30年」に集中しましたが、子どもの権利に始まり、教師の自由と裁量の現実へと焦点が移っていきました。
初めに宮盛論文におけるシティズンシップ教育や教育機会確保法に対する評価がどのようなものなのかという問いが出されました。また小玉重夫のシティズンシップ教育論に対する同論文の評価をめぐって、シティズンシップ教育論と新自由主義の距離について意見交換がなれました。
また、森本論文・高山論文・本岡論文で言及されている「居場所」をめぐって、今日の学校状況と重ねて意見交換がなされました。生きづらさを抱える子どもたちが自由に安心していられる場所と時間の重要性については各論稿が共通して語っているところですが、高山論文は、教育は「将来のあるべき姿に向けて自分を意識的に変えようとする営み」であり、「現状を否定する眼差しを内在させている」が、そうした「自分を変える教育的な働きかけ」は、「無条件の自己肯定」という「自己肯定感の土台ができた後という順番に」なる、と述べています。教育の場は本来、無条件の自己肯定の場になれるわけではない、という教育の場と居場所の距離・緊張関係をどう受け止めるべきか、という問題提起もなされました。さらに本岡論文が指摘するような、「上下なく対等な関係性をもって一緒に考えること」は学校教師の間でもできていない、という問題点の指摘がなされました。
また高山論文は富山の実践報告でもあることから、「富山は日本のスウェーデン」と語る財政学者の福祉国家論を(世取山論文・宮下論文・宮盛論文で指摘されている新自由主義との関係で)どう評価するか、といった問いも出されました。
3月号の特集は「教科学習の可能性」「道徳の授業をつくる」です。2月例会では、理想的な授業づくりをめざす余地が存在しない厳しい学校現場の現実が語られました。現実と理想が平行線をたどってしまわないようにするにはどうすればよいか、考えてみたいと思います。
期日: 3月28日(木) 18:30~
会場: 一橋大学職員集会所
今後の予定:
〇4月例会は4月25日です。4~7月はすべて第4木曜を予定しています。
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