多摩「教育」読者の会1月例会のご案内
12月例会の参加者は、初参加の学生を含め、前月より1名少ない8名でした。12月例会ということでお茶菓子ではなく、軽食をとりながらの会となりました。今回は初めてワンコイン制を導入し、おおむね好評でしたが、今後の12月例会は持ち寄り制にしてもよいのではないか、という意見も出されました。
12月号の特集1「実践記録 書いてみた・読み解いてみた」については、特定の子どもに焦点をあてるかたちで書かれたものを教室での教育実践と呼べるのか、という疑問が出されました。これに対しては、仲村論文はもともと特定個人のみに焦点化した原稿ではなかったが、評者や編集部とのやりとりの中で特定の子どもに焦点をあてる方向に定まったようだという情報提供がありました。
中村論文が述べている「教育学は教育実践記録を対象にしてはじめて科学なりうるという勝田の言葉」「教育実践記録とは、教育実践の記録であって、『教育の実践記録』でも『授業実践の記録』でもない」という記述をふまえたうえで、「授業」だけをとらえているわけではなく、子どもとのやりとり全体を追いかけた「教育」実践であれば特定個人に焦点化されるのは自然なのではないかといった意見や、教室全体に言及していないとしても「教育実践」と呼びうるだろうし、むしろそうした意識を実践者は持つべきではないかといった意見も出されました。また、中村論文が述べるように「『教育実践記録』とは、ローデータからなんらかのプロセスを経由して『文章化』にいたったもの」だとすれば、教師の主観を潜り抜けたものでしかない「教育実践記録」だけでなく、ローデータとつきあわせながら「教育実践」を検討する必要があるのではないかという問題提起がなされました。これに対しては、教育実践記録を読み解く作業は、そこでどのような教育実践が行われたのかという"客観的"事実を対象化しているだけでなく、それを教師がどうとらえているのかという教師の"主観的"まなざしをも対象化することなのではないか、という意見も出されました。
特集2「若者にとっての現代」については、嵯峨山論文にあるような若者や学校教育があればいいねという感想や、竹内論文は難解だったがやはり新自由主義という観点から「教育実践」をとりまく環境をとらえることは必要なのではないかという意見が出されました。堀内論文については、これは新自由主義批判ではない(という意味では竹内論文とは異質である)という評価が出され、年代別選挙区制といった具体的な提案が出されているのは興味深いが、シルバー民主主義を否定するにすぎない、という意見がだされました。そして、特集2の論稿を総括した神代論文もいささかまとめに苦労しているようだが、教科研として、あるいは教育学・教育実践としては、こういう視角をどう評価・受け止めるべきなのかという問いかけもなされました。
1月号の特集は「書く・描く・語る 表現のある教室」「災前と災後の教育を考える」です。12月号は教室での小学生の様子を描いた第1特集、社会における若者の状況を分析した第2特集という構成でしたが、1月号の第1特集は表現行為に焦点をあてつつ12月号の両特集を束ねたものともいえそうです。
期日: 1月17日(木) 18:30~ (第三木曜です。ご注意ください)
会場: 一橋大学職員集会所
今後の予定:
〇例会は2月28日、3月28日を予定しています。
〇2019年全国大会は、多摩「教育」読者の会の地元である桐朋学園(国立市)で開催されます。それに先立ち、以下の予定が組まれています。会場はいずれも桐朋学園です。
2月24日(土) 第1回実行委員会(学習会を兼ねています)14:00~17:00
「教師として生きる、主権者として生きる ―学ぶ権利を、地方自治から位置づけなおす―」
14時00分―14時10分 今回学習会企画の趣旨
14時10分-15時00分 鈴木 望(NPO法人多摩住民自治研究所)
15時05分-15時55分 荒井文昭(首都大学東京)
16:00からは実行委員会です。よろしければ引き続きお残りください。
3月30(土)~31日(日) 三月集会
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