多摩「教育」読者の会5月例会のご案内
4月例会は4名の参加でした。先月よりだいぶ少ない人数でしたが、途切れることなく熱い議論が繰り広げられました。
特集1「学校を楽しく、おもしろく」の岩川論文については、「あいだの温度」についてわかるような、わからないような…という感想が出されました。またPDCAサイクルについてどう評価すべきか、という問いが出され、PDCAの発想そのものまでは否定できないのではないかとか、岩川論文も「もうひとつのPDCAサイクル」とあるように全否定してはいないのではないか、という意見が出されました。他方、現場に入っているPDCAサイクルは原理原則を離れて強力な自己管理ツールとして統制機能を発動しているという指摘もあり、近年の働き方改革の方向性の是非に話が広がりました。また川口論文にある「競争主義的環境」については、子どもの権利条約批准後、一貫して国連子どもの権利委員会から指摘されている点だが、いっこうに改善がなされていないのではないかという意見がでました。
武村論文と高原論文については、管理が強まる学校現場で、ゆるくおもしろくクリエイティブに楽しもうとする工夫について評価する声があがりました。また、肩ひじはって実践するのではなく、「三者面談でいいところを3つあげてもらう」といった「できそうなことからやってみよう」というアイデアに感心する意見も出ました。栗山論文については、「声をかけた人の意見、価値観が変わることが制度を変えることにつながり、世の中を変えることにもつながるんだ」と気づいた高校生の行動力と洞察力への賞賛がでました。
特集2「書いてみませんか、学級通信」は参加者のうち3名が学校現場経験者であったことから、自らの実践や同僚の取り組みについて情報提供がなされ、学級通信ではなく、國貞実践のような「教科通信」を出しているといった経験談も出されました。米田実践にあるような、児童全員の声を拾って掲載しているのはすごいといった声や、松島実践のような「その日だけの通信」としての「黒板通信」のとりくみになるほど…といった声がでました。学級通信は子どもを名宛人としていることが多いようですが、特集の各論稿にあるように、保護者や同僚とつながるためのツールとして利用されていることもあるようです。近年は、管理職の検閲が入ることもあるようだといった話もでましたが、自主的な取り組みはとだえることなく行われているようです。
5月号の特集は「正義はどこに」「スイミーとごんぎつね 物語のもつ力」です。教育実践を記録する、読むといった、4月例会で出されていた論点を、具体的な素材を手がかりに考えていきましょう。
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5月例会は通常の開催日・会場に戻ります。
期日: 5月24日(木) 18:30~
会場: 一橋大学職員集会所
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6月以降の開催予定は以下のとおりです。
6月例会 6月28日(第4木曜) 一橋大学職員集会所
7月例会 7月26日(第4木曜) 一橋大学第一研究館小集会室
8月例会 上旬に全国大会があるため休会
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教科研全国大会
8月10日(金)~12日(日) 於法政第二高等学校(神奈川県)
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教科研教育学部会 -若い世代と他分野との交流をめざして-
5月19日(土) 14:00 ~ 17:00
教科研事務所(地下鉄東西線神楽坂駅 下車徒歩7分)
「先端技術と教育(モラル)について考える」
堀内新之介(首都大学東京、政治社会学)
神代 健彦(京都教育大学、教育学)
参加費: ¥500
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