3月例会は11名の参加でした。狭山丘陵へゼミ調査にやってきた仙台大学の学生5名と引率教員の参加があり、若者を囲んで夕食をとりながらの賑やかな会となりました。
例会が始まる前に卒論構想の検討会をやっていたという学生5名から、卒論テーマについての紹介がありました。スポーツ少年団、総合型地域スポーツクラブ、学童保育からプロスポーツチームにおけるマーケティング調査に至るまで、多様性に富むものでしたが、スポーツや遊びに関わるというだけでなく、いずれも地域と結びついた研究テーマとなっていたのが印象的でした。特集1「『人を育てる地域』をつくる」の諸論考以外にも「人を育てる」「地域をつくる」切り口はあるのだと気づかされます。とりわけ、「人を育てる」「地域をつくる」ことに明確な意図・目的をおいているわけではない活動の中に、「人を育てる地域」づくりのゆたかな可能性を探ることがまだまだできるのでしょう。
学生の就職活動が始まった時期ということもあり、インターンシップについても話題となりました。インターンとしてプロスポーツのイベントの企画を任され、子どもたちを呼び込むためにおもちゃの金魚をつかった金魚すくいを実施したところ、参加者からも経営者からも好評だったことなどが紹介され、あの発想の原点をもう少し聞きたかったという声も聴かれました。また、高校の現役教員やNPOの職員の方からは、それぞれの職場で実施しているインターンシップの様子についての紹介があり、大学がインターンシップや実習を単位化していることの到達点と課題についても言及がありました。
特集2「検証 アニメ/マンガの想像力」に関しては、3月号の紙面批評を担当した参加者(紙面批評の詳細は『教育』4月号をご覧ください)から、山本宏樹論文の「アニメはクリエイターの明確な教育意図を織り込んだ『教育メディア』である場合が少なくない」という記述に対する疑問が提示されました。これを受け、「昔のアニメにはリアリティがあったが、最近のアニメやマンガにはリアリティが感じられない」という意見が出されました。逆に「最近のアニメやマンガは二極化しており、かつてのものよりずっとリアリティを追求するようになってきている。もう一方は究極のファンタジーの世界を構築しているが、それは現実の裏返しだから結局リアルな世界を透かして見ることができる」という意見も出されました。河野真太郎論文は、最近のアニメ・マンガに単なるジェンダー論をつなぐだけでなく、新自由主義的な社会動向をみてとるものでしたが、「ズートピアの内容は知っているが、この論文を理解するのは難しかった」という声も出されました。
最近の大学生が共有できるアニメやマンガといえば何かといった問いも出され、特集から脱線しつつも、最近の子どもは早い時期からゲームの世界に没入しており、アニメというコンテンツを提供するテレビによって話題が共有される時代ではなくなりつつあるのではないか、といった時代分析もだされました。
4月号の特集は「学校を楽しく、おもしろく」「書いてみませんか、学級通信」です。4月=新年度=教師特集という図式は昨年からとりやめていますが、新しい職場環境や人間関係と向き合ううえでのエールであることには変わりありません。3月号とうって変わって、学校や学級における取り組みに焦点をあてた内容となっています。
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4月例会は開催日・会場ともに通常とは異なるのでご注意ください。
期日: 4月19日(木) 18:30~
会場: 一橋大学第一研究館 小集会室
5月以降の開催予定は以下のとおりです。
5月例会 5月24日(第4木曜) 一橋大学職員集会所
6月例会 6月28日(第4木曜) 一橋大学職員集会所
7月例会 7月26日(第4木曜) 一橋大学第一研究館小集会室
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