4月例会は大学院生を含む5名の参加がありました。
特集1「春、教師たちにエールを」の寄稿のいくつかについて触れた後、フリースクール関係者が出席していたこともあり、議論はもっぱら特集2「法制下で問われる『多様な学び保障』」の内容に集中しました。
多様な教育機会確保法案の内容がこの一年間で方向性が変わりつつあること(山本論文)、不登校関係者から否定的見解が出されるようになっていること(鳥羽論文)をふまえ、フリースクール関係者でも小泉政権期の構造改革特区の頃の方が関心が大きかった、という意見が出されました。また、「個別学習計画」のゆくえとその性格についての質疑がなされました。この法案は当初から、フリースクール・夜間中学・ホームスクーリングといった多様なオルタナティブ、多様な政党関係者が相乗りしていたものですが、①学校に回帰する一時的な居場所の制度化、②オルタナティブな学校教育の承認、③オルタナティブな普通教育の承認、のそれぞれが目指すものが異なっているという意見が出されました。そして現実には財務省による予算措置があまり期待できず、政治的な実績づくりに終始してしまうのではないかという意見もだされました。学校教育は集団的な学習形態を想定して構築されてきたものですが、「共同性の制度化」の困難と意義(貴戸論文)とともに「普通教育とは何か」が問われているといってよいでしょう。
5月号の特集は、「デモクラシーの育てかた」「若者の現在」です。どちらも、今という時代に社会と政治に向き合うために民主主義をどう育むか、という問題意識で組まれています。民主主義と教育というのはJ.デューイの有名な著書名でもあり、「教育学における古典的テーマであるが、その最前線は、いまを生きる一人ひとりの学習・研究・体験の場、つまり教室にも街頭にもある」ことを、論文や身近な体験から探りたいと思います。
日 時: 5月26日 (木)18:30~21:00
場 所: 一橋大学 職員集会所
素 材: 『教育』 5月号
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*6月例会も、第4木曜(6/23)に開催します。
*全国大会 8月7~9日 大東文化大学(板橋区)
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